筆界特定制度について
<境界紛争 裁判なしで解決>
平成18年1月、土地の境界(筆界)を巡る紛争を裁判によらず迅速に解決することを目的とした「筆界特定制度」が創設されました。
民間の専門家(筆界調査委員)の意見を踏まえて、登記官が境界を特定する仕組みです。
各地の法務局長が、弁護士や土地家屋調査士らを筆界調査委員に任命します。
そして境界紛争を抱える土地所有者からの申し立てがあれば、筆界調査委員が必要な調査をして意見をまとめ、登記官はその意見を参考にして境界を特定します。
従来の境界確定訴訟は全国で年間約1000件起こされていますが、
「決着に平均約2年かかる」
「専門家ではない当事者が資料類を収集する負担が大きい」
などの問題が指摘されていました。
これに対し、この制度は6ヶ月以内の解決を目指しており、紛争処理の大幅なスピードアップが見込まれます。
境界の特定後は、地図の訂正や地積の更正などを行い、正確な地図を作成します。
この制度の導入後も、境界確定訴訟の制度自体は存続させ、当事者が登記官の特定した境界に不服がある場合は、改めて境界確定訴訟を起こす事もできます。
筆界特定制度の申請手数料は、対象土地の価格により決まります。
たとえば、対象土地(2筆)の合計額が4000万円の場合、申請手数料は8000円になります。
筆界とは
土地の境界は大きく2種類に分けられ、その一つが「筆界」です。
「筆界」とは、明治初期の地租改正の際に定められ不動産登記されている土地の境界をさします。
一つの土地の単位は「一筆」と呼ばれ、たとえ土地の所有者であっても、この土地の境を個人の意思で勝手に変更することはできません。
もう一つの境界は「所有権界」でこれは所有権の及ぶ範囲という意味で、自分が自由に使うことができる土地の範囲をさします。
「筆界」が登記された公法上の境界であるのに対して、「所有権界」は私法上の境界といえます。
「筆界」に関するトラブルの例としては、先祖代々受継いできた土地の筆界の位置が、長い歳月が経つうちに分からなくなり、隣接土地所有者との間において紛争になる等のケースがあります。
そうした際に筆界特定制度を申請すれば裁判によることなく、また資料収集乃負担も軽減されて、筆界を特定することができます。
一般の認知度もまだまだ低く、境界紛争の当事者は自分の抱える問題が「筆界」か「所有権界」であるのか、判断しにくいと思います。
まずは、土地家屋調査士にご相談下さい。
